ITといえばセンサーやソフトなどのシステムを買ってきて導入するというイメージがある人も多いかもしれません。
しかし何もセンサーなどを用いることが全てではありません。例えばデジタルカメラやスマートフォンも立派なITツールです。
何のためのITか?を一度見つめ直してもらえればと思います。

費用対効果を考える

新しいものを導入する際、当然費用対効果を考えられていると思います。

機械で例えると、パンフレットなどには効率が記載してあるものが多くありますのでこの機械を購入することでどれだけ時間が短縮できるかがわかります。
日頃時間を意識して作業を行っている人であればこの作業が何時間で済むのであれば、購入しよう、見送ろうということがわかるはずです。
特定の機械を導入したからと農産物が高く売れるわけではありません。基本的に購入するか否かは時間や労力を考え、時間短縮をしたい、労務環境を改善したいという課題がありその解決策として見合うかどうかを判断基準にしているはずです。

ITについても同じことがいえます。
導入したからといって高く販売できるわけでもありません。しかし特別ITについては流行りもあるからでしょうか、あまり考えずに導入して使えない。ということが多いように思えます。
機械と同様現在の課題を把握して、その課題を解決することでどれだけのメリット(できるだけ金額に換算)があるかを考えた上で導入するように相談があった際はいつもお話ししています。

無料で導入できるものも今は多くありますのでまずは無料で使ってみて、感覚を確かめて、それ以上を望むのであればそこで購入を考えるということでもいいと思います。

すぐにできるITツールを使って経営改善

人によって課題は異なるかと思いますが、記録をとることでクリアできることを今回はご紹介します。

経営を考えた際にどの作業に誰が何時間費やしたかということは非常に重要だと思います。その点を意識することで負荷がどこに集中しているかがわかります。
何となく知っていることと、はっきりと数字で認識することでは大きな差ができます。とはいえ、日報を毎日つけるのは時間的に難しく、数日まとめてつけようとしてもなかなか記憶できてないことから正確な情報が残りません。

そこでデジタルカメラやスマートフォンを使います。デジカメやスマホも立派なITツール。撮影すれば撮影した対象はもちろん日時が記録されます。
作業前と作業後の写真をとれば作業時間がわかりますし、作業している人ごと撮影することで誰が作業をしたのかがわかり、資材を撮影すればどの資材をいつ使用したのかの記録にもなります。
圃場ごとに撮影したものをPCのフォルダに入れれば撮影日順に並び替えるなどすることで見返すのに非常に重要な記録になります。

撮影した写真をどう使うかが一番重要ですので、使用を意識した撮影を心がけましょう。
日報のように使うのであれば作業開始と終了時、勤怠管理や作業記録であれば作業をしている人と使用資材も映るように撮影します。
そうして意識して使っていくと経営形態などによってはおそらく物足りないところや、どうしたいということが出てくると思います。
そこまで考えるようになればその課題を解決できるツールを探していくのが良いと思われます。

株式会社ファームプロ 竹内健司