昨年9月まで11年間東京に単身赴任をしており、久々に家のある長野県諏訪市に戻ってきて感じていることを、農業系のシステムに絡め書いてみました。
まずは、どんな農家さんがあるのかを調べてみると割と有名な農業法人がいくつかありますが、諏訪平では県外資本の所も多いように感じています。また、こだわりのある農業法人では独自ルートを構築し展開している所も増えています。また、6次産業化においても本を出版している法人もいくつもあり進んでいるな~と感じています。

そこで、どんなシステム化がされているのかが気になり、いくつかの法人を訪問してヒアリングをして見ましたので感想を含め記述してみます。
施設栽培をしている中規模の所では、温度制御、給水などは温度監視、タイマー等で自動給水が行われていました。
今後のニーズとしては異常時の携帯電話への通知、データの活用が出来るような情報の集積を考えたいが、収集したデータからどのように活用出来るのかが雲の中との話でどう生かすかがこれから考えるとの話でした。
また、いつに収穫すればいいかを、糖度で判断できる作物もあるのでセンサーを活用できればと考えているとも聞きました。コストを考えなければ、センサー技術の発達で適切な肥料、水等の補給が把握できるようになってきておりエンジニアリングとの連携で自動化、省力化が進むと考えますが中規模での導入はも実験段階でう少し時間が必要と思います。

露地栽培では、周りを見る限り情報システムを活用した自動化は見かけませんが、米の栽培ではセンサー技術をもとにしたデータ活用が進んできている記事も見かけます。

現場のシステムそれぐらいにしてVol.1で話のあった農場管理のシステムに関して、使っている所はまだまだ少数派に思えます。自身使っていますが、入力の簡略化とデータ活用レベルに合わせるなどが課題と感じています。
JGAPの導入が進んでいる所でも、自身が2000年頃ISOー9001を取得した頃のように紙での管理がほとんどです。情報を保管する必要な部分にシステムを導入すると管理が楽になるのにと感じています。GAPに対応できる管理システムに農場管理が進んでほしいです。

あと、通常使うシステムとしては会計システム(簿記)ですが、法人化が進むと導入も増えるように思います。どんぶり勘定の会計では儲かる農家にはならないと思います。品目、時期ごとの個別原価管理を進めないと規模を拡大したときにどの作物が儲かっているかを感に頼ると実は儲かっていないことも起こりえます。個別原価管理をすると経営の視点から課題の把握を早くし、対応することが出来ます。また、会計がしっかりすると儲かっているようで現金が不足するようなことを減らすことが出来ます。

6次産業もタブレットでのカード決済、クラウドでの通販システムの活用により参入への壁が低くなっています。そのため新規参入者も多く、収益を考えると厳しい状況で何を特徴にしていくかが重要です。この話はまた機会があれば書きたい内容です。

長々と各種のシステムについて書いてきましたが、これらのシステムはクラウドにデータを置くシステムが主流となってきています。施設管理についてはリアル性が要求されますが、他のシステムはリアル性はあまり求められていないので受け渡しデータ形式の統一とデータベースからのデータの出し入れが出来る機能が各システムに搭載されることを心から願います。

文責:ICT経営相談室 森のくまさん 磯道善彦