活動の紹介
はじめまして。NPO法人農業情報総合研究所は、作る人(生産者)、届ける人(販売)、いただく人(消費者)をつなげる活動を行っています。
具体的な活動としては、YouTube「農ラジ!」から農業、食の情報発信です。「農ラジ!」は、これまで、農業×IT(IoT)、農福連携、新規就農、都市農業、農泊、八百屋ビジネスといったテーマを取り上げました。現在、128回配信しています。「農ラジ!」で検索してみてください。
他にも、ビジネスパーソン向けのセミナー、研究会を開催しています。2014年の秋からは、東京農業大学「食と農」の博物館と共催で一般の方、小学生の親子を対象とした食育講座を開催しています。

日本農業情報システム協会との出会い
農業の現場でIT(IoT)が活用されているのを知ったのは2年前。農林水産省の方に、スマート農業についてインタビューをさせていただいたことがきっかけです。
このお話しを聞き、農業の現場ではどのような取組みが行われているのかを知りたくて、日本農業情報システム協会主催の「スマートアグリシンポジウム」に参加しました。

参加して驚いたのは、パソコンに詳しい知識がなくても、誰でも簡単に設置ができる機械があったことです。設置して、すぐに計測がスタートし異常があれば、知らせてくれるというのを聞いてさらに驚きました。
シンポジウムの後、会員企業の方々に、「農ラジ!」のインタビューにご協力いただきました。今後も、実際に導入した事例、農家さんの感想を聞く機会があればと思い日本農業情報システム協会に入会させていただきました。

イチゴ農家さんのハウスで見た活用の事例
昨年、東北のイチゴ農家さんを取材させていただきました。
ハウス内を見学していると、小さなボックスが目に飛び込んで来ました。農家さんに尋ねてみると、県からの貸与で3年目になるとのこと。小さなボックス1台で、ハウス内の温度、湿度、日照、二酸化炭素濃度を計測し、スマーフォン、タブレットへ送信してくれるとのこと。これが、とても役立っているというのです。イチゴの生産には二酸化炭素の濃度が重要なので数字で確認できるのがとても役立っています。また、他の農家さんの情報も知ることができ、参考になっているとのことでした。
この農家さんの取材に行く前に「農ラジ!」インタビューで、ハウス内環境遠隔モニタリングシステムについて取材していたので、小さなボックスに気付くことができました。事前に取材しておいて良かったです。
農家さんは、便利で使い続けたいと強く希望されていました。とはいえ、万が一、県から借りることができなくなり個人で導入するとなると、経費を考えるとハードルは高いようでした。

農家さん、技術者、食べる人がつながる
2ヵ月ほど前になりますが、「ドローン米農家さんのご飯をみんなで食べましょう!」というイベントに参加しました。ドローン米プロジェクトも「農ラジ!」で取材させていただいたご縁でお誘いいただきました。

ドローンと聞くと農薬散布利用のイメージされる方も多いと思います。私も、その一人でした。ところが、こちらの会社では生態系を守り、農薬・化学肥料に頼らない自然調和を心がけた田んぼづくりにチャレンジされています。このチャレンジに共感、応援しようと40名以上の方がイベントに参加されていました。
イベントでは、プロモーションビデオが流れ5人の農家さんが米作りへの思い、田んぼでドローンがどのように活躍しているのかを観ることができました。プロモーションビデオを観ることでドローンの技術が分かりやすく伝わってきます。

各農家さんからのお話しの後、ドローン米おにぎりを食べ比べしました。米の粘り、甘さ、固さが、少しずつ違っていますが、どれもとても美味しいおにぎりでした。
農家さんは、テーブルをまわり参加者の皆さんにご挨拶。参加者の皆さんは、農家さんから米作りのお話しを聞くことができ楽しい情報交換の場となったようでした。

私も、各テーブルをまわり参加者の方とお話しをすると「ドローンは農業を変えますよ」、「ドローンはすごい」、「地域の仲間とドローンを使った環境にやさしい米作りをやってみたい」と熱く語られる方が多く驚きました。皆さん、これからの新しい米づくり、その可能性に期待されていました。

イベントを主催された社長さんが、「ドローン米を支えるのは、技術、伝える人、食べる人。ドローン米プロジェクトチームの一員となって農家さんの米作りを応援してください」というコメントがありました。この言葉、とてもステキでした。

全国にいる米作り名人、食味ランキングで特Aを獲得する産地の米。美味しいお米はたくさんあります。その中から、ドローン米を選んでもらうには、今回のイベントのように、プロジェクトの取組みを伝え、美味しいお米を食べて応援してもらうファンを増やしていく努力も必要です。

お会いした方の情報を伝え、つなげていく活動がとても大切です。私たちのミッションは、「農ラジ!」を通して、生産者、消費者をつないでいく「農業情報のコミュニケーション」を作っていくことです。
これからも、生産者、消費者、そして技術者の相互の理解を深めるような情報発信を目指していきます。
ぜひ、皆さんからも農業、食の情報、そして新しい技術の活用などあればお知らせください。

NPO法人農業情報総合研究所 植村春香