私が農業系のイベントで話をさせてもらう際に、いつもプレゼンテーションの最初に入れているクイズネタがあります。

さて、誰の言葉でしょうか?
『私は自分がどんなに努力しても、農業経営者にはなれそうにありません。世界市場のなかで、高度な技術力とマーケティング力、そして経営判断が求められる、複雑な仕事です。学生時代にアルバイトしたとき「あんた仕事できないわね」とすぐにクビになりましたから本当です。』

わかりますでしょうか?
答えは、第44代アメリカ合衆国大統領のバラク・オバマの言葉です。
(ソースは正確に覚えていないのですが、農業系書籍だったと思います、申し訳ありません)

農業は農地、人、技術・販売・企画などの総合知識産業であり、ただ単に農作業をして良いものを作れば良いという時代ではなくなってきていると感じています。
ただし、栽培技術を高めていくという職人的な要素、販売などの営業的な機能を、一人の方や一家族で完結させることは難しいです。
そのため、今後は農業生産法人化だったり、生産者間の連携体といった形が増えていくと感じていますが、そこで問題になってくるのが、人や組織のマネジメントになってきます。

「農業×IT」が発展するためには、利用する側で農業生産法人化のような組織化が必要だと思っています。一生産者レベルで「農業×IT」で成果を出すのはかなり難しいです。
上記のような多様な機能が必要となり、組織化が進み、人や組織のマネジメントを含めた管理・効率化が普通に行われるようになったときに、初めて「農業×IT」の意味が出てくると思います。

私は国内の大学院でMBAを取得しましたが、大学院の中でも「農業ビジネス」は常に関心を持っている人が多いテーマです。
しかし、いろいろな経営判断のケーススタディを行いましたが、がっつり「農業ビジネス」というケースはありません。
様々な要因が複雑に絡み合うのと、「農業ビジネス」のすべてを理解するのは難しいので、ケースとして扱うことが困難なのでは?と感じています。

「農業ビジネス」は本当に複雑な世界だと思っています。
その中で、農業×IT×MBA(経営学)の視点で、課題などをひとつひとつ紐解いていきたいと思います。

株式会社エーブリッジ 代表取締役 橋本亜友樹